ラグジュアリー×サステナブル=?
ラグジュアリーとは何か・・・
【スイスの腕時計】
【イタリアの手袋】
【スコットランドのタータン】
世界的に有名なものでありながら
その土地特有の技術を持つ職人たちが
己の仕事に誇りを持ち
その才能を何世代にもわたって受け継いできたもの
自分は
それらがラグジュアリーと考えます
ご無沙汰しております
もしくははじめまして
Cento trentaの冨本と申します
唐突なラグジュアリーに
さぞ困惑しているであろうみなさんに
追い打ちをかけるように質問を1つ
みなさんは
“やく”
と聞いて何を思い浮かべますか?
・役者さんのやく
・厄払いのやく
・ちょっと危ない薬のヤク
最後のヤクをイメージされる方とは
ちょっとお友達になれそうにありませんが
これからお話しするモノは
中毒になってしまう可能性を秘めた代物ですので
遠からずといったところでしょうか
そんなこんなで
これからお話しするのは
それらのどれでもない”ヤク”という動物についてです
動物がラグジュアリーとどうつながっていくのか
~ヤクについて本気出して考えてみました~
チベットやインドのカシミール地方
モンゴルやパキスタンの北部など
標高3,000メートルから6,000メートルの高原地域に生息する
からだが長い毛で覆われたウシの仲間
それがヤク(英語でもYak)
見た目はけっこうな強面ですが
人や荷物を乗せて運んでくれたり
地面に生えた草を食べる時は根っこは残して食べるなど
人にも地球にも優しい動物です
昼夜の温度差が30度以上ある地域に生息するヤクの毛は
暑い時はその優れた透湿性で熱を逃がし
寒い時はカシミア以上ともいわれる保温性で自身を守っています
厳しい環境に適応するため
優れた耐久性を発揮し
温度変化にも対応するよう進化した
天然の機能素材というわけですね
同じく高地に生息するカシミア山羊とよく比較されるのですが
・保温性はカシミアとヤクは同等
・通気性はヤクの方が1.3倍優れている
・どちらも極細のやわらかい繊維なのでちくちくしない
・ヤクの方が摩擦に強いので毛玉になりにくい
などなど
ヤクはカシミアと同等
もしくはそれ以上の優れた特性を持っています
あえてカシミアに劣る?点をあげるとすれば
繊維の”艶”感でしょうか
※ヤクの織物画像
見た目の高級感という面では
カシミアに軍配が上がるかもしれませんが
やわらかで素朴な表情は
ヤクでしか味わえない唯一のモノだと感じます
そんなヤクが世界で最も生息しているのが
世界の屋根と呼ばれるチベットの高山地帯
辺境ともいえるその地域にアトリエを構える
Norlha(ノラ)というブランドが
世界で最も上質なヤク毛を使用するメーカーとして知られています
Norlhaが使っているヤクは
ヤクの表面のごわごわした硬い毛ではなく
内側に隠されたKhullu(クル)と呼ばれる
軽量で非常に柔らかい希少な毛のみ使用しています
ヤククルは他のメーカーでも使われていますが
Norlhaがすごいのはここから
なんと
赤ちゃんヤクの毛がはじめて生まれ変わる際に抜け落ちた
“ヤク史上もっともやわらかい産毛”を使用しているんです
それはつまり
1頭のヤクから”生涯で1度”しか手に入らないことを意味します
ヤククルはダウンの様に軽量で暖かく
厳しいチベットの冬越えになくてはならない存在
一般的なカシミアやヤクの毛は
・クシですく
・刈り取る
のどちらかで採取されるんですが
Norlhaは自然に抜け落ちた毛だけを使用しており
さらに
広大な敷地で放し飼いしているため
ヤクは自由気ままに生活をしているだけで
人間のエゴに脅かされることはありません
殺虫剤なども使用していませんので
動物に一切のストレスを与えることなく
人とヤクは共存しています
≪ここで突然のヤク豆知識≫
ヤクの毛は主に以下の3色に分類されます
-ナチュラルブラウン-
ほとんどのヤクがこの色
日本人の髪色に近い色です
-ナチュラルグレー-
100頭に1頭の割合で生まれるカラー
白髪ではありません
-ナチュラルホワイト-
1000頭に1頭の割合で生まれる希少なカラー
ポケモンでいう色違い
出会えたらラッキー
ヤクの毛は漂白や染色せずに
自然のままでも美しい仕上がりですので
Norlhaはこの3色を組み合わせた
カラーを中心に展開しています
(自然から着想を得て染められたカラーも存在しますが)
Norlhaにはチベットの遊牧民の伝統を受け継いだ
優秀な職人が多数在籍しているんですが
せっかくなので
ここで生産者のみなさんの顔もご紹介したいと思います
=Pagpa Tso さん=
Norlha訓練生1期生の1人であり最高の織工の1人
「1本の糸も逃さない」は名言
=Dugmo Kyi さん=
モデルの求人に応募するも
そのシャイな性格さゆえに編み物部門にコンバート
リズミカルな針裁きに定評あり
=Menlha Tso さん=
最高のフェルト職人
「足元さえ暖かければ大丈夫!」
と今はスリッパに夢中
=Gonpo Kyap さん=
1年間の訓練をたった3か月で終えた天才職人
趣味は家族とのピクニック
などなど
遊牧民出身の個性豊かな職人たちが
Norlhaの作品作りに携わっています
そんなヤクが最も輝くアイテムの1つがストールです
買ったはいいものの巻き方がわからない
巻くのではなく巻かれる
こんな経験をしたことがある人は
私だけではないはず (・・・と思いたい)
大丈夫です
さんざん素材やヒストリーについて語ってきましたが
当店で取り扱っているNorlhaのストールは
サイズ感と生地のバランスが
ハチャメチャにちょうど良いんです
早速ですが
弊社スタッフたちに
各々好きなように巻いていただきました
【Norlha】
ヤクストール バイカラー
Color : NATURAL GREY/NATURAL WHITE
Price : ¥51,700_ (Intax)
希少なナチュラルカラーを組み合わせたバイカラーモデル
【Norlha】
ヤクストール チェック
Color : NATURAL WHITE/BLACK
Price : ¥51,700_ (Intax)
こちらも希少なナチュラルホワイトを使用したチェックモデル
【Norlha】
ヤクストール バイカラー
Color : BROWN/YELLOW
Price : ¥51,700_ (Intax)
こちらはレンガ作りの建造物や
チベットの秋の自然をイメージしたカラーリングになります
あえて巻き方講座などはいたしません
その日の気分で
適当に巻いてもコーディネートが成立しますので
Norlhaではそれぞれの製造部門にスペシャリストが在籍しているんですが
こちらのストールの場合
14人の職人がそれぞれの技術の粋を集めて
1つのストールを完成させています
当店で昨年取り扱っていたモデルは全て完売
お買い上げいただいたお客さまからは
「ちくちくしない」
「コートがいらないくらい暖かい」
と大変好評です
Norlhaは自社のヤククルについて
特に耐久性について美徳を感じているらしく
子から孫へと受け継いでほしいとの思いを込めて
すべて手織りで1つ1つ丁寧につくり上げています
使い捨ての大量生産ではなく
1つのものを長く大切に扱って
次世代へと受け継いでいく
サステナブルラグジュアリーともいえるNorlhaの活動は
『UNITED NATIONS DEVELOPMENT PROGRAMME AWARD』
『1.618 SUSTAINABLE LUXURY AWARD & CERTIFIED』
『B-CORP CERTIFIED』
『POSITIVE LUXURY CERTIFIED』
など様々な認定を受けています
大きな声では言えませんが
Norlhaが手掛けたアイテムは
エルメスやサンローラン
ランバンやソニアリキエルなど
多くのメゾンでも展開されて来ました
小さな企業ゆえに
大量生産が出来ないNorlhaが
世界のマーケットに挑戦するために
貴重な資源を使って
高度な技術を継承していくのは
必然だったのかもしれませんね
今年の冬は
ラグジュアリーに包まれて
ぬくもりを感じながら過ごしてませんか?
Norlhaのストールは
Cento trenta 南船場店と
オンラインショップにて取り扱っています
お問い合わせ先
【Cento trenta 南船場店】
Tel:06-6245-1268
【Cento trenta OLINE SHOP】
https://centotrenta.shop-pro.jp/